2014年11月7日、大阪府堺市の羅い舞座堺東店で公演中の、宝海劇団さんの楽屋にお邪魔いたしました。
宝海竜也総座長はすでにお帰りでしたが、早乙女紫虎座長と宝海大空若座長に大変興味深いお話を聞かせていただきました。
こだわりのないこだわり?
- 女形・立役への化粧のこだわりは?
-
別に無いです。
- 手本にされているような、理想の女性像とかは…
今は無いですねえ。
もう、そういう化粧のこだわりよりも、 早く化粧して早く舞台に立つ。そういう志向なので、 化粧自体のこだわりは全くないですね。 化粧が遅ければ、舞台に出る頻度も減ってしまうので。 あとはもう表情とかで補おうかと。
- 内から出るもので補うと。
- キレイに言えばそうでしょうね
- 衣裳のこだわりについてですが、好きな模様とか、
好きな色とかありますか? -
好きな色は白と黒…なんですけども、 衣裳を作る時に好きな色ばかりになっちゃうから、 地味だとよく言われますね。
お客さんがね、俺(紫虎)の字が紫だから、 紫ベースが一番似合うと言ってくれるんだけど、 あんまり持ってないんだよね。
- 移動の多いお仕事ですが、楽屋の整理で気をつけていることとかありますか?
なんもないです。
どこ行っても同じような感じなんですが… 逆にこだわりが無いのがこだわり、と言えるかも知れませんけどね。 …よくおるやんね、「悩みが無いのが悩み」っていう奴ね。 それとおなじようなもんやね。
- 宝海劇団のオススメの点や、
座長ご自身の見てほしい所はどこでしょうか? -
んー、俺自身は特に無い。
でも劇団で言うと、どこにも負けないって言うのは
アットホーム感ですかね。これは他の劇団さんに負けないでしょう。 みんな仲良くやってるし、またケンカも無いからね、 お客さんも「平和な劇団さんやね〜」と言って帰ってくれるからそれが売りじゃないですかね。それに個々のカラーも結構際立って出てくれてるんで、 まあそれも総座長が旗揚げしたときの言葉で、
「宝海のキャンバスは白だから、おのおのが色を入れていってくれ」 って言ってくれたその言葉のおかげじゃないですかね。
見つけた新しい世界は?
- 女形や立役をやるにあたっての化粧のこだわりはなんでしょうか
-
こだわりは、なるだけナチュラルにしようというところですね。 シャドーも入れずに、ほお紅もあんまり塗らずに。
こんなシンプルな化粧ですけど、前はめっちゃ時間がかかってたんです。「シンプルだね、シャドーも何もとらないの?」って他の役者さんにもよく言われるんですけど。
女形をやる時は…亡くなられた夏目雅子さんが好きで、洋髪の夜会とか、そういう時には 意識しますね。
- 好きな色や模様など、衣裳のこだわりはありますか?
-
自分が好きな色っていうのが白とか黒とか なんですよね。
でも自分が好きな衣裳で出してたらダメなんで、 紫とか赤とかを出してもらってるんですけど、 最近は赤とか紫とか黄色とかの色物も好きになってきたんです。
- そのきっかけは何ですか?
スノボですね。4~5年前から好きでやってるんですけど、 蛍光色とかボードの裏とか、派手が勝負でしょ?
あれ見て「あー蛍光色カッコいいな」って。それからですね、黄色と黒の組み合わせとか、 ピンクと黒とか、紫と蛍光色とか、あんまり着ないですけど、 見映えがいいなって思うようになって。
それでシックな衣裳もいいけど、きれいな衣裳もいいなって、 そう思うようになりました。スノボの影響で好きな色が 増えたんですね。
- お化粧道具へのこだわりはありますか?
リップとかグロスとかですね、使うやつはみんなが使っているのとほんと同じなんです。
ただ、グロスとかは芝居の時につけずにショーの時につけるんです。
あるのと無いのとでは全然違うんですね。- 移動が多いお仕事ですが、
楽屋生活での整理整頓のこだわりはありますか? 整理できない男ですからね、僕は(笑)
どっちかって言うと座長の方が全然きれいですから。 僕はもう、「ぱっぱらぱー」なんで、切羽詰まらないと やらないって感じですかね。
やらざるを得ない状況にならないとやらない…ほんとにそうですね。
- お客様に伝えたい、劇団の見所や、若座長の魅力を教えてください。
-
旗揚げして11年か12年、やっとお客さんに少しずつ知られるように なってきたかなって、まあ、楽しく舞台に立ってるってとこですね。
見所は、みんなそれぞれ一生懸命に、個性を出してるところですね。 …個性が強すぎる人もいるんで(笑)、ぜひそれを見に来てほしいですね。
それぞれの魅力を持つ、座長と若座長。劇団のアットホームさが伝わってきたインタビューでした。